
Boy Slut
Zachary Zane 著
回想録/エッセイ · 2023
この本について
『Boy Slut』は、回想録であると同時に文化的な宣言書でもある。Zachary Zaneは、カトリックの家庭で育ち、セックスについて書く著名なクィアのライターになるまでの自身の物語を通じて、欲望に羞恥がどう結びつけられるのかを探る。とりわけ、ジェンダーやセクシュアリティに対する狭い期待の枠に収まらない人々にとって、それがどう作用するのかを見つめている。個人的なエピソードと鋭い社会観察を行き来しながら、性的に奔放だとして人を辱めるスラット・シェイミング、男らしさ、同意、そして快楽をめぐる政治性を取り上げる。羞恥を拒むことは個人的な行為であるだけでなく政治的な行為でもあり、自らの欲望を認め、引き受けることが、より深い自己理解と他者とのつながりへの道になりうると、Zaneは説いている。
読んで思ったこと
この本の飾らない率直さがよかった。Zaneは、読者に受け入れられやすくするために自分の経験をきれいに取り繕ったりしない。代わりに、自分自身になっていく過程の混沌へと読者を招き入れる。傷つけるために貼られたラベルに、自分の価値を小さくさせまいとする人の姿には、どこか心を癒やされるものがある。アイデンティティや親密さ、そして私たちが受け継いできた性についての語られ方をめぐる考察は、題材が挑発的なときでさえ、驚くほど優しく感じられた。自分や他者についての思い込みを見つめ直し、自分で選んだわけでもないルールに従って生きてはいないかと、問いかけてくるような本。
好きな考えやテーマ
- 性にまつわる羞恥とアイデンティティ
- クィアの男らしさ
- 抵抗としての快楽
- 同意と自己受容
- ラベルを自分の手に取り戻すこと
ひとこと
世間体のいい自分を演じるのをやめ、自分の物語を自分のものとして引き受けようと呼びかける、激しさと無防備な率直さに満ちた一冊。